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現在主流の情報量重視で知られるフラットマスタリング方式の先駆者で知られる”Mobile Fidelity Sound Labo社”によるSACD仕様盤でございます。
情報量重視ではございますがアナログ盤の音質を意識した音質で非常に良心的なものでございます。
アナログ盤、CD、SACD、ハイレゾであろうがマスターテープの再現が最重要課題となりますが、「アナログ盤が一番マスターテープの音質を再現しているのでは?」との指摘がオーディオ・ファンから挙がり、
現在では名マスタリング・エンジニア故George Marino等が手掛けた当時のアナログ盤が高値で取引されるここ昨今ではございます.......
但し、こちらにはスクラッチノイズはございませんが................................................
ラインナップは初期全盛期名手揃い。
Robert Lamm(Key、Vo)、故Terry Kath(G、Vo)、James Pankow(Trombone)、Walter Parazaider(Sax、Clarinet、Flute、Vo)、Lee Loughnane(Trumpet、Vo)、
Peter Cetera(B、Vo)、Danny Seraphine(Ds)となります。
プロデュースは毎度御馴染みJames William Guercioとなります。
1969年8月米国ニューヨーク州”Columbia Recording Studios”及びカリフォルニア州ハリウッド”Columbia Studios”での制作となります。
そもそもがRobert Lammと故Terry Kathの出会いから始まるバンド。
Blues系バックバンド等々共に様々な活動を行う中、掛け持ちで活動していたバンドの気の合った面々が或るミーティングで意気投合、バンド結成に動く事となります。
オリジナル・ラインナップが完成し、カバーバンドを熟しながら音楽性を指向。オリジナル楽曲を創作していく事となります。
その後プロデューサーのJames William Guercioと邂逅し、その働きかけでレコード会社と契約。
バンド名を”Chicago Transit Authority”に改め、デビュー作を制作する事となります。
当時は英国を中心とした”アート/ロック”台頭という時代。
英国側の人気に強く押されており、米国側に対抗できるバンドはないか?とビジネス側が模索する中でこのバンドに賭けられた期待は非常に大きいもの。
大作主義系の音楽性の質の高さや鋭さが認められ、レコード会社も音楽性に太鼓判を押し、異例の二枚組作として1969年4月シーンに登場する事となります。
反響は凄まじいもので、英米で結構なヒットを記録。
レコード会社の依頼でリリース後の約三カ月後に創作意欲溢れるバンドはツアーの合間に次作制作に向け創作開始となりますが、商標登録絡みの問題でバンド名を”Chicago”と改名。
新作制作に乗り出す事となります...............................
さて今作。
一ヶ月という短期間で制作された事(それも二枚組!)に驚きを禁じ得ませんが、前作で作品制作のノウハウを学びそしてライヴバンドとしての実績と自信を引っ提げて制作に乗りだした感がございます。
何せ初期全盛期。
社会派そしてアート/ロックそれもブラス・ロックの旗手として知られた時代で、大作主義を前作同様強く打ち出したもの。
演奏・アンサンブルも非常な纏まりを見せ、更に(音楽性を含め)勢いと野心溢れるものでございます。
また音楽性の要であった名手故Terry Kath在籍時という事があり、非常にロック色とアート感が強いもの。
「ロック/ジャズ/ファンクの融合」と当時の評にございますが、当時の「クロスオーヴァー」ではなく「アート/ロック指向」がミソでございます。
当時の英米”アート/ロック”系代表バンドの一つであった事が窺えるものでございます。
スタジオ録音では当時の録音技術やプロデューサーの音造り指向があり、音楽性の凄みの反面、音の迫力が弱いという感がございますが、それを差し引いても名盤の誉れ高い作品。
著名なヒット楽曲がございますが、その印象が一部に過ぎないという驚きの音楽性。
何をか言わんや、でございます............................................
要であった名手故Terry Kathの演奏個性や凄み・迫力が(ライヴ盤程ではないにせよ)理解出来るもの。
英米アート/ロック系名ギタリストの一人として挙げられる事が納得出来るものでございます。
年明け1970年1月に今作がリリースされるや否や再び英米で大ヒットを記録。
それも再びの大作主義系二枚組という驚きのもの。
如何に当時の”Chicago”の人気が凄まじく、渇望された作品であるかが理解出来るものでございます。
それもその筈、リリース後はこの仕様で全米チャート4位、英国では6位という驚きのもの。
何をか言わんや、でございます........................
当時の”Chicago”人気の凄まじさが窺えるものでございますが、それを鑑みたレコード会社は再びバンドに早期の新作制作着手を依頼。
されどバンドは制作意欲旺盛。
再びツアーの合間に新作制作に乗り出す事となります..............................
英国ではアート/ロック系の大ブームという時期。
米国ではあれど、音楽性のみならず、その強い影響を感じさせるものでございます....................................................
如何にこの時代の音楽ファンが鋭いものを求めていたのか、を窺わせる作品の一つでございます.......................................
この機会に是非。